歯の治療は誰でも嫌なものです。大人の方でも恐いのに小さなお子様が嫌がるのは当然です。無理に押さえつけて治療をすればその子が大人になっても歯科医院に対する恐怖心はとれません。小さなお子様が歯科医院になじめ、恐がらずに治療ができるまで担当のスタッフとトレーニングいたします。また、フッ素塗布も致します。
歯ブラシ
小さなお子様でも歯が生え始めてきたら歯ブラシが必要です。
歯を磨くという行為に対して嫌がらない工夫をしてあげることが大切になってきます。
歯磨きに徐々に慣らしていきましょう。
うがいができるようになるまでは、歯磨き粉は使用しないで下さい。
うがいが上手にできるようになったら歯磨き粉を使用しても大丈夫です。
歯ブラシはヘッドが小さく、毛先はテーパード(丸型)で軟らかめ~普通で持ち手が長すぎず持ちやすいものがいいでしょう。
ここで大切なのは歯ブラシの持ち方です。
歯ブラシはペンや鉛筆を持つ持ち方を練習するようにしてください。
正しい歯ブラシの持ち方をすることで、磨き残しを少なくし力の入りすぎを防ぐことができます。
お子様のうちに正しい歯ブラシの持ち方を習得しましょう。
またお母さんやお父さん、ご家族の方から「前歯」と「奥歯」の違いを教えそれぞれ分けて磨けるようになるととてもよいです。
最初は上手にできなくて構いません。
練習することによってお子様が「自分で磨く」という意思を持つことが大切です。
お子様の歯磨きが終わったら、その後に必ず仕上げ磨きをして下さい。
一番よく行われる磨き方は明るい照明の下で仰向けに寝っ転がり膝にお子様の頭を乗せて行います。
仕上げ磨きはお口の中がしっかり見える体勢で行って下さい。
仕上げ磨き用の歯ブラシは歯ブラシの頭が小さく、持ち手が長いもの、毛の硬さは普通のものがいいでしょう。
一筆書きをするように順番を決めてから磨くと磨き残しは少なくなります。
順番は磨きやすい順でかまいません。
奥歯、前歯とそれぞれ1本ずつ20~30回ずつ小刻みに磨きましょう。
一番奥の歯や前歯の裏側、特に下の奥歯の舌側は磨き残しが多いのでよく磨くようにしてください。
また、上の前歯の表側に上唇小帯という襞(ヒダ)があります。
ここに誤って歯ブラシが強くぶつかると傷になり痛みを伴います。
痛みは歯磨きが嫌いになる原因の1つです。
磨く際には指でカバーする、または襞(ヒダ)に沿って磨くなどしてぶつからないように気を付けましょう。
デンタルフロス
お口の中の汚れを100%とすると歯ブラシで落とせる汚れは60%程といわれています。
残りの40%は歯と歯の間や歯茎の中に付着しています。
従ってフロスを使って汚れの少ないお口の中にしましょう。
フロスの使い方にはコツがあり、そのコツをつかめればスムーズに行うことができます。
まず歯と歯の間に糸をのこぎりを引くように優しく入れます。
歯の両サイド側面を4~5回こすり上げて最初と同じようにのこぎりを引くように取り出しましょう。
フロスで汚れをかきだすようなイメージです。
4~8歳のブラッシング
このくらいの年齢は混合歯列期といい、乳歯が抜け始め永久歯が生えてくる時期です。
お子様が自分で磨いても磨き残しが残りやすい歯列になります。
まずはお子様自身鏡を見ながら磨くようにしましょう。
前歯と奥歯はそれぞれ分けて磨けるようになっていると思いますが、奥歯で注意していただきたいのが6歳臼歯です。
6歳前後で上下左右1番奥に生えてくる永久歯を6歳臼歯といいます。
生えかけの6歳臼歯はまだ背が低く歯ブラシが当たりにくいです。
また生えたての歯はむし歯になりやすいためしっかりと磨くようにしましょう。
磨き方のコツは歯ブラシを頬側から入れ、歯ブラシの柄を使い頬を膨らませるように引っ張ります。歯に対して歯ブラシを横から入れるイメージです。
歯ブラシが6歳臼歯に届いたら毛先を90度に当て磨いてください。
お子様もご家族の仕上げ磨きも同じように磨いて下さい。
仕上げ磨きの時に奥歯の溝にワンタフトブラシを使っていただいてもよいです。
次に生え途中の歯、重なって生えてきた場合です。
上記のイラストのように生え途中の歯や、重なって生えてきた歯は一本ずつの縦磨きやタフトブラシを用いた磨き方が必要になります。
縦磨きは歯ブラシの向きを縦にして磨いていきます。
歯ブラシの毛先が歯の面に対して直角になるように当て磨いていきます。
可能であれば歯の面を3分割し、それぞれ分けて磨けると尚良いです。
またワンタフトブラシを使用していただいてもかまいません。
9~12歳のブラッシング
この年齢になると、ある程度お子様自身でしっかり磨けるようになってきます。
まずは歯ブラシがしっかり当てられているか自分で見て確認するため、引き続き鏡を使って歯を磨きましょう。
次に歯をどこから磨くのか順番を決めましょう。歯ブラシを当てる部分は上下の奥歯頬側、裏側、噛む面、前歯の表、裏側です。1本ずつ20~30回くらいは磨きましょう。
生えかけの背が低い歯は、歯ブラシを頬側より横から入れて噛む面を磨きます。(※6歳臼歯の磨き方の図を参照)
歯ブラシはヘッドが小さく、毛先はテーパード(丸型)で軟らかめ~普通で持ちやすいものがいいでしょう。
しっかり磨くと5分以上の時間がかかります。
また小学校高学年になればフロスもご自身でできるようになります。
しっかり練習し身につけていきましょう。
小学生になると仕上げ磨きをしていないという声をよく聞きますが、歯の生え変わりは9~12歳くらいまで続くため小学校高学年まで必要です。
お子様のお口にあったケア用品を用い仕上げ磨きをお願いします。
小児矯正(こどもの矯正)
このような症状はありませんか?
出っ歯
(上顎前突 じょうがくぜんとつ)
上の前歯、または上顎の歯が前に突き出した症状。
受け口
(下顎前突 かがくぜんとつ)
上の前歯、または上顎の歯が前に突き出した症状。
交叉咬合
(こうさこうごう)
顎が左右のどちらかにずれて一部分の咬み合わせが上下逆になっている症状。
鋏状咬合
(はさみじょうこうごう)
まるでハサミのように上の奥歯が外側に、下の奥歯が内側にズレることで、上下の奥歯がしっかり噛み合わない症状。
深いかみ合わせ
(過蓋咬合 かがいこうごう))
上の歯が下の歯に覆いかぶさっている症状。
前歯が閉じない
(開咬 かいこう)
奥歯を噛んでも前歯がかみ合わずに、上下に隙間が出来る症状。
八重歯・乱杭歯
(叢生 そうせい)
歯が重なったりして、歯並びがガタガタになっている症状。
すきっ歯
(空隙歯列 くうげきしれつ)
歯と歯の間に隙間が出来てしまう症状。
歯並びが悪いとどうなる?
- はっきりとした発声がしづらい
- あごの成?を妨げる
- 心理的な影響を与える (コンプレックス)
- むし歯や歯周病のリスクがあがる
- 噛み合わせが悪く胃の負担が大きくなる
- 大人になるまで放置していると重度の場合は矯正治療が複雑になるばかりでなく、抜歯しなくては綺麗に並ばない歯が増えてしまう可能性がある
矯正治療のタイミングは?
矯正時期の目安ですが、おとなは?並びが気になった時が相談のタイミング ですが、こどもは今現在の歯並びや癖・成長具合・遺伝的要因等によって一人ひとり異なります。
出来るだけ早い段階で、ご相談いただくことで現在の歯並びの状態を確認し、今後の予測と最適なタイミングをご説明いたします。
タイミングを逃さないよう、早めにご来院・ご相談いただけると幸いです。
こどもの時期の矯正のメリット
矯正治療はいつでも開始できます。
しかし、大人になってから始めるよりも?供の時期から始める方がより簡単に、よりきれいに、歯並びを改善するこができます。
こどもの矯正のポイント
- 将来の抜歯・外科処置のリスクを下げる
- 成人矯正(2期治療)の期間を短縮できるので、トータルでの出費が減ることが多い。
- あごの大きさを広げ、ベースから整えるためよりきれいな歯並びになる
- 骨格の成長を利用して治療ができるため、矯正がしやすい。
矯正治療の流れ
1:初診矯正相談(無料)
まずは、お気軽にご相談ください。疑問・不安等を解決できるようご説明いたします。
2:精密検査
精密検査(お口の診査、レントゲン撮影、お口の写真撮影、お口の型取りなど)を行い、治療方法、期間、費用、お支払い方法などについてご説明します。
3:矯正治療(子どもの歯の時期・1期治療)
子どもの歯並びの時期の矯正治療を行います。装置は歯並びの状態によって使用する装置が異なります。
4:矯正治療(大人の歯の時期・2期治療)
大人の歯に生まれ変わった後必要があれば装置を変更し矯正治療を行います。
5:保定
歯並びがきれいになった後は、歯並びが元に戻らないように、固定させる「リテーナー」と呼ばれる保定装置をいれて、しっかり固定させます。
矯正装置の種類
- 床盤拡大装置
- ムーシールド
- クワド・へリックス
- バイオネーター
- リンガルアーチ
- 急速拡大装置
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります